就業時間内に年168時間。研修時間を数字で公開します

研修についての説明は、どの会社の求人票にも書いてあります。「研修制度あり」「教育体制充実」「未経験でも安心」。読んでも何も分かりません。私たちも同じことを書いていました。

そこで、数字にしました。

土曜勉強会 年53回・年間168時間。すべて就業時間内です。

1年は52週なので、ほぼ毎週。1回あたり約3.2時間。これとは別に、早朝勉強会が隔週の月曜・火曜の7:00〜8:00にあり、ほとんどの回を社長が直接受け持っています。

この記事では、その168時間が実際に何に使われているのか、いつ開催されているのかを公開します。確認できる形で出すことが目的です。

なぜ数字で出すのか

理由は単純です。「研修が充実しています」は、何も約束していないからです。

月に1回1時間でも「研修制度あり」と書けます。終業後の自主練習を「勉強会」と呼ぶこともできます。書いてあることは同じでも、中身はまったく違います。入ってみるまで分からない、という状態が業界の当たり前になっています。

私たちが出せるのは、回数と時間と日程です。これなら、入る前に比べられます。比べられて困る数字なら、そもそも出しません。

年168時間の中身

年間の予定表から、53回が何に使われているかを数えました。時間数ではなく回数で出しています。1回あたりの長さは回によって違うので、区分ごとに時間を割り振ると推計になってしまうからです。回数なら、予定表を数えた事実です。

区分 回数 中身
技術・臨床 11回 基本手技(頸部)/腰痛の臨床研究と手技練習/膝の臨床/姿勢矯正3回/資格別の技術練習/臨床発表会
東洋医学 8回 陰陽論/五行論/五行式体表の活用/季節の土用と体の変化(四季)
計画・数字 8回 年間計画の発表/四半期ごとの進捗確認/実践計画表の作成と発表
振り返り・定着確認 7回 学んだことを実践できているかの確認。事前に全スタッフからアンケートを集めます
情報発信 5回 動画づくりの技術/投稿の振り返り/ブログとの連動
業務効率化・IT 4回 AIの活用/情報と業務の環境整備
企画・集客 4回 店舗イベントの企画と実践/季節のキャンペーン
接遇・コミュニケーション 3回 タイプ別の関わり方と、患者様への対応
行事・交流 2回 忘年会/原点の会
1回 年末年始休暇
合計 53回 年間168時間・すべて就業時間内

技術・臨床と東洋医学で19回。全体の36%です。頸部の基本手技、腰痛の鑑別診断と運動解剖学、膝の関節検査法と経絡アプローチ、姿勢分析と矯正。2月の「実践 東洋医学アプローチ」は、鍼灸師・柔道整復師・整体師で分かれて実施します。

一方で、技術だけをやっているわけでもありません。接遇が年3回、振り返りが年7回。患者さんに伝わらない技術は無いのと同じですし、学んで終わりにしては意味がないからです。理由は次の「学ぶ順番」のところで書きます。

いつ開催しているのか

年間の日程は、期のはじめに決めて全員に配っています。「忙しかったので今月は無し」ができない形にしてあります。

株式会社HCC 22期 勉強会 年間カレンダー 全53回

あらかじめ日程を決めている主な回は、次のとおりです。

日付 テーマ
2026年8月15日 経営計画発表会の振り返り
2026年9月26日 コミュニケーション術 ― 五行の実践
2026年11月7日 AIを使ったチーム編成
2026年12月26日 コミュニケーション術
2027年5月22日 コミュニケーション術

コミュニケーション術が年に3回入っているのを、意外に思われるかもしれません。技術の話より回数が多いくらいです。患者さんに伝わらない技術は、無いのと同じだと考えているからです。

土曜勉強会のほかに、毎週・毎日あるもの

168時間は土曜勉強会だけの数字です。日常の中にも、学ぶ時間を組み込んでいます。

名称 頻度・時刻 中身
早朝勉強会 隔週 月曜・火曜
7:00〜8:00
ほとんどの回を社長が直接受け持っています。担当者に任せきりにしていません
朝礼 毎朝 8:45 理念とクレドの読み合わせ、その日の目標、役割の確認
全体カンファレンス 毎週 月曜 8:30 全院で共有すべき症例と、運用の確認
技術練習 受付時間内
手が空いたとき
技術練習シートに記録します。何を練習したかが残ります
振り返り 週に1回・10分 先輩と1対1。話す順番が決まっています

振り返りの10分は、話す順番を決めています。① いまの自己評価 → ② 良かったところ → ③ うまくいかなかったこと → ④ どうすればうまくいくか。そしてアドバイスは1つだけです。たくさん言われても、持ち帰れるのは1つだからです。

学ぶ順番 ― 技術は4番目です

順番が決まっています。技術は最初ではありません。

学ぶこと なぜこの順か
1 安全と法令 やってはいけないことを先に覚えます
2 評価 何が起きているかを見る力がないと、施術は選べません
3 解剖・生理 評価したことの理由を、体の構造で説明できるように
4 機器の操作 ここでようやく手を動かします
5 説明 やったことを、患者さんの言葉に翻訳します
6 再評価と記録 あとから誰が読んでも再現できる形で残します

なぜ技術が4番目なのか。危ないと思ったときに手を止められる人が、先に必要だからです。

技術から入ると、できることが増えた実感は早く得られます。ただ、判断ができないまま手だけが動く状態になります。その状態でいちばん困るのは、担当された患者さんです。だから順番は飛ばしません。

「就業時間内」であることの意味

168時間はすべて就業時間内です。ここは強調させてください。

終業後や休日の自主練習に任せている会社は多くあります。それ自体を否定するつもりはありません。ただ、私たちは2つの理由で、それをやめました。

  • 終業後の練習は、忙しい月ほど最初に削られます。「今月は忙しいから来月」を繰り返すと、1年で大きな差になります
  • 個人の努力に任せると、院によって差が出ます。担当者によって施術の質が違う状態は、患者さんから見れば信頼を削ることです

就業時間内に置くというのは、会社が売上の時間を削って学習に充てるという意味です。簡単な判断ではありません。それでも、そうしない限り続かないと考えています。

教える中身は、書き物になっています

研修の内容は、担当者の頭の中にあるわけではありません。教本があります。現在245ページ・14文書。

骨格・神経・筋肉・経絡・生活の5つの視点で身体を見る「五位一体メソッド」は、その第3部にあたります。育成・認定・品質管理の章もここに含まれます。

文書になっていることの意味は、教える人が変わっても、教わる中身が変わらないということです。院が35店舗あり、教える側も1人ではありません。口伝えでは必ずずれます。

身についたかどうかは、どう確認するのか

研修を受けたことと、できるようになったことは別です。確認の仕組みを分けています。

仕組み 中身
Level 0〜4 導入 → 見学・模擬 → 指導者同席での実施 → 院内認定 → 指導者。保有資格と役割に応じて進みます
院内認定 七領域 安全評価・機器理解・開始前操作・実施中管理・中止対応・臨床推論・説明と記録。筆記ではなく、実際の動きを見て確認します
基本手技試験 二段階。最終段階は社長が直接試験します
技術練習シート 何を練習したかを記録に残します。やったつもりを、やった記録に変えるための道具です

院内認定を「知識の試験」にしていないのが要点です。知っていることと、できることは違うからです。

人を育てる順番も決めています

研修の話とあわせて、任せる順番も書いておきます。

入社 → 初回セットを任せる → 5回定着を任せる → 新規を任せる。

よくある飛ばし方は、新規を早く任せてしまうことです。初回セットができていない人に新規を任せると、その人は「取ったのに続かない」という経験を最初にします。最初が失敗だと、そのあと動かなくなります。

だから、順番を守ります。遅く見えるかもしれませんが、素質 × 努力 × 時 = 成果だと考えています。「期待」は「期を待つ」と書きます。

よくいただく質問

ご質問 お答え
土曜勉強会は強制ですか 就業時間内の業務です。休日を潰して集まるものではありません
早朝勉強会は7時からですが、参加は必須ですか 全員参加のものではありません。見学の際に、実際の運用をご説明します
未経験・ブランクでもついていけますか 学ぶ順番が決まっているので、途中から急に難しくなることはありません。最初の1ヶ月は面談4回で伴走します
外部の講習やセミナーには行けますか 外部講習費の支援があります。院内の研修だけで完結させるつもりはありません
研修を受けても、現場で使えなければ意味がないのでは そのとおりです。だから院内認定は動きを見て確認し、練習は受付時間内にシートで記録します

読んだうえで、見に来てください

ここに書いたことは、見学に来ていただければ全部確認できます。面談日程の掲示も、技術練習シートも、実物が店舗にあります。

見学は60分。服装は自由で、その日に決めていただく必要はありません。国家試験の前でも歓迎します。案内役ではないスタッフと話していただく時間もつくります。案内役だけが良い人に見えると、かえって不安が残ると思うからです。

研修の話は、書いたものより、その場にいる人を見たほうが早いです。

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掲載している回数・時間は22期(2026年8月〜2027年7月)の年間育成カレンダーによるものです。日程は変更になる場合があります。
執筆:株式会社HCC 代表取締役 佐々木高則




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